排熱利用の新技術「熱電変換素子」

従来の一般的な発電方法では、熱を電気に変えるには予め運動エネルギーに変換することが必要でした。具体的には火力でも原子力でも熱を発生させた後は、蒸気を作ってタービンを回し、その運動エネルギーを利用して電気を取り出していたのです。当然これでは熱を運動エネルギーに変える時や、タービンを回すために抵抗も生じるなど、エネルギーのロスが多いのが問題となります。そこで解決策として熱をそのまま電気に変換しようと言うのが、この熱電変換素子です。

新しい排熱利用の方法として研究が進み、現場への導入も広がりつつあります。熱電変換素子はタービンなどの複雑な構造を持たない、小型薄型のソリューションです。実際には10cm程度の正方形でも利用でき、厚さもそんなにありません。特殊な金属や半導体の板を張り合わせて、ウエハースみたいな構造をしています。

これに熱を加えると、内部でゼーベック効果と呼ばれる科学現象が生じ、電気が取り出せるのです。薄くて小型しかも複雑な構造が不要なため、柔軟な排熱利用が可能となります。例えばファンを取り付けて電源不要の冷却装置にする、と言うような排熱利用が研究されているようです。過去の実証実験では蓄電池への充電が行われたことも確認されています。

現在は次々と新型の熱電変換素子が登場しており、効率や出力が高まってきました。今後は排熱利用の身近なソリューションとして、幅広い職場に浸透してい来る可能性があります。

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